存在の羽音

気ままに。自分と向き合う場所。自分を見つける場所。チラシ裏の独白。

贖罪

 

 

 ふとしたことであの頃を思い出す機会があった。それでも、あまり憶えていない。それでもなお残滓が漂っている。ぼんやりとした体感の中で、埃が舞っている。なんなんだろうな、やりきれない感じだ。そしてあまり憶えていないことにもまた、やるせない思いがある。それが時の流れと言ってしまえばそうなのだが。

 想像する未来を築くのはなかなかに難しい。望んだ未来をもたらすものは自分だと知っている。残滓の堆積のなかに自分がいる。哀しみの記憶すら、留めることはできないのか。なお哀しいものだ。しれっと語る自分の口が、うそぶいている。

 留まることのできない急流のなかで、じっと耐えている。流れ落ちる水を手で受けようとも、零れ落ちて留めておけない。哀しいものだ。それを糧に明日を待つ。

 何度目の夜が明けたのか。朝陽は私を微笑んでくれるだろうか。錆びついた心を溶かしてくれるだろうか。何も考えず生きてしまっている自分を恥じる。