存在の羽音

気ままに。自分と向き合う場所。自分を見つける場所。チラシ裏の独白。

数日振りの自宅

 

 ただいま我家。とりあえず食い扶持のあてはできたので来月からも生きることの条件は満たされそうだ。よかったよかった。数年の間自然に還りますので、ルソーの心持にでも思いを馳せましょうか。引っ越しの準備をしなくてはならないけれど、ひと月ほど時間に余裕がある生活ができそうなので、ひたすら読書に没頭しようかと思います。

 

 今は夏目漱石の『行人』を読んでいる。中学の時分に友人に買ってもらった思い入れのあるものだ。夏目漱石は好きでいくつも本を持っているけれど、読んで数年すると忘れてしまうものだ……。夏目漱石に限らず、明治大正あたりの文章はなぜだかわからないが今見ると浪漫があるように感じる。大雑把にまとめるとこれも懐古の想いなのだろうか。

 数日前は安倍公房を読み漁っていたのだが、相変わらずなんとも掴み難い文章をしていると感じた。初めて砂の女を読んだときは感動したが、他の本をいくつか手をつけてみたが美術的要素が強いように思う。たしかに埴谷も好きだから安倍公房も馴染みはするのだが、いかんせん自分の感受性の方向には合致していないような感じもして、なかなか飲み込めない。芸術とは既存を乗り越えるものだ。新しい価値を打ち立てるものだ。安倍公房はその類だと思うのだ。

 夏目漱石を読み直したら、三島由紀夫と太宰、森鴎外、川端まで読めたらよいな。これまで学術書ばかりで文学はそんなに多くは読めていなかったので。